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患者さんへ

手術室・麻酔

当院の手術室は計20室を備えており、その中には手術中にMRIで病変をリアルタイムに評価できるMRI手術室、人工関節手術や移植手術を行う清潔度の高いバイオクリーンルーム、血管撮影装置やCT撮影装置を備えたハイブリッド手術室など、高機能手術室が含まれています。

手術件数は年間約9000件で、一般手術に加え、手術支援ロボット(da Vinci、hinotori)を用いた、ロボット支援下内視鏡手術も年々増加しています。また、肝移植、腎移植、膵移植等の臓器移植手術、ハイブリッド手術室で行う心臓弁膜症に対する経カテーテル治療や経皮的左心耳閉鎖術、術中MRI撮影を用いた脳腫瘍や肝腫瘍の摘出術など高度な手術・麻酔を数多く行っています。

各手術室は最新の医療機器や患者監視モニターを備えており、麻酔器も医療情報、手術画像等とリンクしワークステーション化されて全ての術中情報はサーバーに自動記録されます。

外科系医師、麻酔科医師、手術室看護師をはじめ、多職種のスタッフが良好な連携をとり、1日平均30〜40人の手術・麻酔を行っています。良質な医療を提供するためにISO 9001の認証を受けており、安心で安全な周術期管理を目指しスタッフ一同日々頑張っています。

麻酔を受けられる皆様へPDFファイルをご覧になるにはAdobe Readerが必要です。
患者さんを対象とした様々な臨床研究を行っています。
これらの研究への参加を希望されない場合は、お申し出ください。参加を拒否することで皆様に診療・治療の面で不利益が生じることはありません。

外科系集中治療室

Surgical Intensive Care Unit:SICU

SICUは2013年に既存のICUとは別に6床の手術後重症症例管理病棟として開設しました。入室する症例はすべて手術後症例であり、国内でも数少ない術後重症管理に特化した集中治療施設の1つです。SICUは、手術後の患者さんに効果的で高度な治療を24時間体制で施すことを目的とした集中治療室で、麻酔科が主体となって運営を行っています。SICUに入室する症例数は年間750名前後であり、平均在室日数は約2日です。毎日ほぼ満床の状態で管理しています。

SICUに入室する診療科は、心臓血管外科・移植外科・消化器外科・脳神経外科をはじめとする外科系診療科が多くを占めますが、循環器内科を主科とするカテーテル手術症例や消化器内科症例、歯科症例も入室します。

SICUでは医師・看護師のみならず、臨床工学技士・薬剤師・理学療法士・管理栄養士等のコメディカルスタッフと密に連携をとりながら、早期抜管や早期リハビリテーションを実施できるように活動しています。毎朝、病室前での個別カンファレンスを麻酔科・診療科・コメディカルスタッフと合同で行い、治療方針やリハビリテーション、栄養等の確認や検討を行っています。

人工呼吸器や大動脈バルーンパンピング(IABP)、体外式膜型人工肺(ECMO)、補助循環用ポンプカテーテル・経皮的補助人工心肺(IMPELLA)、血液浄化療法(HDなど)等を使用した重症症例から、会話や食事はできるが急変する可能性のある重症予備軍の症例まで、幅広い術後症例を対象としていることもSICUの特徴の1つです。

診療科案内ペインクリニック・術前診察外来を行っています。詳細はこちらをご覧ください。

ペインクリニック

ペインクリニック外来では、さまざまな原因による難治性の痛みの治療を行っています。まずは来院されるまでの痛みの経過や受けてこられた治療の効果などを問診させていただき、症状に応じて薬物療法と神経ブロック療法に光線療法などを組み合わせて、少しでも痛みが楽になるように治療していきます。

主な対象疾患は、神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛など)、筋骨格系の痛み(頚部痛、腰下肢痛、肩関節痛など)、複合性局所疼痛症候群、遷延性術後痛、がん性痛などです。また、血流障害など痛み以外の疾患にも対応しています。

神経ブロック療法は、痛みの原因となる神経を直接遮断することで痛みを和らげる治療です。特に神経障害性疼痛に効果が得られる場合があります。神経ブロック治療には末梢神経のブロック注射や神経根ブロック、三叉神経ブロックなどを行います。局所麻酔薬やステロイドによるブロックでは効果が持続しない場合は、パルス高周波治療を行うことがあります。神経を破壊することでより確実な治療効果を得ることを目指す場合は高周波熱凝固を行います。がん性疼痛に対しては、内臓神経ブロックという腹腔内の神経にエタノールを注入する神経ブロックを行うことで、長期間痛みを軽減させる神経ブロックが適応となる場合があります。そのほか、一部の適応のある患者さんに脊髄刺激装置植え込み術を行っています。

また、長期間続く痛みは、生活の質の低下を引き起こします。このような痛みは完全に取りきることが難しく、痛みとともに過ごすことが必要となります。当院では精神科、リハビリテーション科などの診療科と連携して、痛みとうまく付き合いながら生活の質の改善を目指す集学的な痛み治療を行っています。